朝
お弁当用に冷凍のコーンを炒める。
早朝の散歩から帰ってきた長男が
見たもの全部を早口で教えてくれる。
ほぉ。そうなの。ふんふん。
手は洗ったー?
と振り返ると
「ここは1955年!」
備蓄用の水を乗せる台車に乗って
狭い廊下を走り抜けていった。
その声につられて
寝ていた次男がよちよち歩いてきて
1955年の兄の隣で大きなあくびをする。
わたしはフライパンをゆすりながら
ふと、
これってポップコーンになるんだっけ
と思う。
もし一粒はじけたら。
次も、その次も。
フライパンいっぱいに
ふわふわのポップコーンができる。
どうしよう。
お弁当に入れてしまおうか。
案外バレないかもしれない。
「時速は88マイル!」
今度はふたりで廊下を駆け抜けていった。
結局
コーンは弾けることなく
少し焦げた黄色の粒をお皿にあける。
わたしは冷蔵庫を開けて
次に焼くウインナーを取り出した。